女性にしかわからないことだと思いますが、入浴後に膣から水やお湯が出てくることってありませんか?
タオルで身体を拭いて下着を履いた後に、たらーっと出てくるあの感じ、なんか嫌ですよね。
実は、このような症状のある女性は意外と多くいます。
ただ、痛みなどの苦痛を伴うわけではなく、なおかつなんとなく周りに言いにくい症状のため、そのまま放置しているという人がほとんどなのです。
しかし、この「膣から水が出る」という現象は骨盤帯が機能不全を起こしている証拠であり、そのままにしておくと子宮脱や尿漏れなどを引き起こす要因となります。
私は整体師として活動していますが、このようなお悩みを持つ患者さんに対して、骨盤を調整しセルフエクササイズを指導すると、多くの方が快方に向かいます。
本記事では、
- 入浴後に膣から水が出てくる原因
- 簡単にできる骨盤エクササイズ
について解説します。
後半で紹介するエクササイズは、上記のお悩みを解決する簡単な方法ですので、是非実践してみてくださいね。
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入浴後に膣から水が出てくるのはなぜ?
原因は膣の緩み
結論からいうと、入浴後に膣から水が出てくる原因は「膣のゆるみ」です。
通常であれば、膣は適度な緊張状態を維持し、締まっているため、お風呂に入っても膣から水が入っていくことはありません。
ところが膣がゆるんでいると、容易に水が浸入し、入浴後しばらくするとその水が出てくるのです。
では、なぜ膣がゆるむのでしょうか。
そこには、「骨盤底筋」という筋肉が大きく関与しています。
骨盤底筋とは、文字通り骨盤の底部に位置し、膣の周りを覆っている筋肉であり、内臓を下から支えています。

尿をするとき、途中でおしっこを止めようとすると膣のあたりがグッと締まりますよね?
このときに働いているのが骨盤底筋です。
この筋肉がきちんと機能していないと、膣がゆるんでしまうのです。
骨盤底筋の機能不全 ⇒ 膣のゆるみ ⇒ 膣から水が出てくる
出産、骨盤の歪みが大きく影響する
骨盤底筋が緩む原因としては、以下が挙げられます。
- 出産
- 骨盤の歪み、ズレ
- 不良姿勢
- 運動不足
特に出産時は、子宮口が広がることで骨盤底筋の緊張状態が大きく変化します。
産後の女性に尿漏れが多いのも、これが理由ですね。
また、骨盤の歪みによっても骨盤底筋の機能は低下します。
なぜなら、骨盤底筋は骨盤の底部にハンモックのように吊るされる形で位置しているため、骨盤がズレると骨盤底筋の位置関係も変化してしまうからです。

出産未経験の女性で膣から水が出てくる場合、骨盤の歪みやズレ、不良姿勢によって骨盤底筋が緩んでいる可能性が高いでしょう。
簡単!骨盤底筋エクササイズ
次に、骨盤底筋を鍛えるセルフエクササイズをご紹介します。
以下の2つの運動は誰でも簡単にできる上、膣の緩みに対して非常に有効なエクササイズです。
実際に私も、
- 入浴後に膣から水が出てくる
- 産後の尿漏れ
- 腰痛
などの症状を持つ患者さんに対して指導していますが、毎日継続することで多くの方が改善しています。
是非実践してみてくださいね。
骨盤の左右・前後運動
自分で骨盤を前後左右に動かすことで左右の均一化を図り、骨格のバランスを整えます。

- 椅子に座り、左右のお尻に均等に体重がかかっていることを確認する
- 片方の座骨に体重をのせ、反対側のお尻は浮かせる(体幹はまっすぐを維持する)
- 元の姿勢に戻り、今度は反対側の座骨に体重をのせる
- 次に、両手でお尻の下に触れて座骨を感じる
- そのまま腰を反らし、左右の座骨が広がるのを感じる
- 1~5を10回繰り返す
呼吸を使った骨盤底筋エクササイズ
骨盤底筋は、呼吸を使うとよりダイナミックに動きます。
ここでは、呼吸運動とあわせて骨盤底筋を鍛えるエクササイズをご紹介します。

- 仰向けの状態で膝を立てる
- 鼻から息を吸い(3秒)、口から吐く(5秒)
- 吐く息に合わせて、膣をお臍に向かって引き上げるように意識する
- 1~3を10回繰り返す
これらの運動は、毎日地道に継続することが大切です。
まずは1日1セットずつから始めてみましょう。
骨盤底筋を鍛える3つのメリット
上記の運動には、「膣から水が出てくる」という症状の改善の他、以下の3つのメリットがあります。
一つずつ説明していきます。
経血コントロールがしやすくなる
経血コントロールとは、生理時の経血を意識的にコントロールすることです。
信じられないかもしれませんが、昔の人はトイレでおしっこをするのと同じように経血を意図的に出していました。
当時は畑仕事や家事の中で自然と骨盤底筋が鍛えられていたので、随意的に経血をコントロールすることが可能だったんですね。
ところが現代では、身体を動かす機会が減少し、良質な生理用ナプキンの開発も相まって、経血をトイレで出す人はまずいません。
骨盤底筋のエクササイズは「膣トレ」とも言われるように、膣を引き締め、経血コントロールをしやすくする効果があります。
それによって、
- 生理中の不快感の減少
- 生理期間の短縮
- 経血量の減少
といった効果が得られる人もいます。
産後の尿漏れにも効果的
前述した通り、産後の尿漏れも骨盤底筋の緩みが原因で生じるため、上記のエクササイズが有効です。
また、妊娠前や妊娠中から実践しておくと、産後の尿漏れを未然に防ぐことができます。
女性は出産を機に骨盤の形状が変化するため、産後は整体院での骨盤矯正とあわせてセルフエクササイズを行うのが良いでしょう。
性交で感じやすくなる
骨盤底筋を鍛えて膣を締めると、性交の際にオーガズムに達しやすくなると言われています。
いわゆる「締まっている」状態ですね。
これは男性の快感だけでなく、女性の気持ちよさにもつながるのです。
年齢とともに骨盤底筋の機能は低下していきますが、セルフエクササイズを実践することで鍛え直すことができます。
パートナーとの性生活のためにも、継続していきたいですね。

このように、骨盤底筋エクササイズには女性にとって嬉しいメリットがたくさんあります。自宅で簡単にできるので、是非トライしてみてくださいね!