妊婦さんになると腰痛や骨盤の痛みなど、様々な症状が出現します。
そんなとき、「妊婦だけど整体院に行ってもいいのかな?」「赤ちゃんに影響はないのかな?」と不安に感じたことはないでしょうか。
先日、こんなツイートをしました。
私は普段、整体師として妊婦さんの施術もしていますが、お腹の赤ちゃんに配慮さえすれば全く問題はありません。
むしろ、妊婦さんが出産までに身体を整えておくことには、お腹の赤ちゃんへの効果も含めてたくさんのメリットがあります。
本記事では、
- 妊婦さんが整体を受けるメリット
- 妊婦さんの整体による赤ちゃんへの効果
について解説します。
妊娠による身体の不調がある方はもちろん、そうでない妊婦さんにとっても必見記事です。
妊婦が整体を受けるメリット

妊娠中の諸症状の軽減
妊娠の進行に伴い、腰痛をはじめ、骨盤の痛み、むくみ、肩こり、不眠など、様々な症状が起こりやすくなり、特に腰痛は妊婦さんの7割が経験するといわれています。
整体はこのような諸症状に対し、妊娠中の身体の変化に配慮して対処することができます。
基本的に、妊婦さんは痛み止めなどの薬を飲むことができないため、身体の不調が現れたら薬以外の方法で対処しなければなりません。
整体は副作用を起こすリスクが一切ないため、妊婦さんでも安心して施術を受けることができるんですね。
妊娠中は骨格の形状やホルモンバランスが大きく変化するため、それに付随して症状が現れるのはある意味当然ともいえますが、とはいえ辛い症状が引き起こされるのには必ず理由があります。
整体で骨格の歪みやズレ、停滞している血流が正常化されれば、身体のトラブルは緩和されるでしょう。
逆子や早産のリスク軽減
逆子や早産が起こる背景には、赤ちゃんが育つ環境の問題があります。
赤ちゃんが育つ環境とは、言い換えるとお母さんの子宮の中ですよね。
例えば、妊娠の進行に伴って子宮が十分に膨らまない場合、お腹の赤ちゃんとしては窮屈な環境を強いられることになります。
狭い空間の中で身体を丸めて、閉じ込められているようなイメージです。
そして「これ以上ここでは生きていけない!」と赤ちゃんが判断すると、予定日を待たずに外に出ようとします。
これがいわゆる早産(切迫早産)です。
つまり、このようなリスクを回避するためには、事前に妊婦さんの子宮環境を整えておく必要があるということです。
私の経験談ですが、子宮の問題のほとんどは骨盤の歪みやズレに起因します。
骨盤を調整することで、その中におさまっている子宮の血流が改善し、赤ちゃんにとっても心地よい環境で育つことができるのです。
・関連記事:『逆子の多くは自然に治る!効果的な逆子対策の方法とは』
分娩時間の短縮
妊婦さんの整体は、出産をスムーズにすることにもつながります。
なぜなら、事前に骨盤の可動性を確保しておくことで、赤ちゃんが産道を通りやすくなるからです。
これは、妊婦さんにとっても大きなメリットではないでしょうか。
以下は、ヒトの平均分娩時間です。
- 初産婦:12~15時間
- 経産婦:6~8時間
私としては、初産婦の12~15時間というのはちょっと長すぎだと思います。
妊娠中に定期的に整体を受けている方は、初産婦でもだいたい9時間以内に出産されています。
先日、40歳で一人目のお子様を出産された女性からも以下のようなご報告を頂きました。
妊娠中に身体を整えておくと緊急帝王切開や難産になるケースも少なく、多くの方が安産です。
産後の腰痛の予防
妊娠・出産で開いた骨盤は、産後徐々に元の状態に戻っていきます。
このときにズレた状態で戻ると、腰痛が引き起こされてしまうんですね。
妊婦さんのうちから整体で調整しておくと、産後、骨盤が正常な状態に戻りやすくなり、結果として腰痛予防につながります。
産後はホルモンのアンバランスによって、腰痛の他にも
- 手首の腱鞘炎
- 肩こり
- 背中の痛み
- アキレス腱の痛み
が生じやすくなるため、妊娠中から身体のケアをしておくことには大きな意味があるでしょう。
赤ちゃんへのメリット

整体は赤ちゃんの正常な発達を促す
先程、
骨盤を調整することで、その中におさまっている子宮の血流が改善し、赤ちゃんにとっても心地よい環境で育つことができるのです。
と書きましたが、これについて赤ちゃん側の観点から掘り下げてみます。
お腹の赤ちゃんは、子宮の中で下図のようにC字状に丸まった体勢で過ごしています。

お腹の赤ちゃんが順調に成長できるのは、子宮が膨らんで赤ちゃんが大きくなるためのスペースが確保されているからです。
逆にいうと、妊婦さんの骨盤の歪みなどが原因で子宮が拡張できない場合は、赤ちゃんの正常な発達が妨げられることになります。
具体的には、赤ちゃんの背骨が歪んでしまったり、それによって体内の血液循環が停滞してしまったり、ということが起こりえます。
つまり、整体で妊婦さんの身体を整えることは、同時にお腹の赤ちゃんの身体も調整することになるのです。
バース・トラウマを軽減する
バース・トラウマとは、胎児期から生後3か月の間に赤ちゃんの心身に起こる傷です。
- 胎児期に狭い子宮の中で窮屈な状態を強いられた
- 出産時に産道が開かず頭が圧迫され続けた
- 臍の緒が巻き付いて仮死状態だった
- 鉗子分娩で頭を強く引っ張り出された
胎児期、出生時に生じるこれらの出来事は、赤ちゃんの身体に物理的なダメージを与え、場合によっては心理的なトラウマとしてその後も残り続けるケースがあります。
例えば、過去の研究において
- 臍の緒が首に巻き付いて産まれた子どもは、言語障害を発症しやすくなる
- 鉗子分娩で産まれた子どもは、その後偏頭痛を抱える確率が高くなる
- 帝王切開で産まれた子どもは、呼吸器系が弱く喘息などのアレルギーに罹りやい。また産道を通る経験をしていないため、自己肯定感が低くなる傾向にある
ということが指摘されています。
重要なことは、上記のリスクは妊娠中に母親側の身体を整えておくことで軽減できるという点です。
考えてみれば当たり前の話ですが、健康な赤ちゃんは健康な妊婦さんからしか産まれません。
妊娠中のケアがいかに大切か、ご理解頂けたでしょうか。
妊婦整体を受ける際の注意点

整体院の選び方
整体院であればどこでも妊婦さんを受け入れてくれるわけではありません。
「妊婦 整体」で検索して探すか、既に通っているところがあるなら妊婦さんの整体も可能かどうかを聞いてみましょう。
妊婦さんの整体では、妊娠の進行に伴う身体的変化を理解し、赤ちゃんの安全を考慮する必要があるため、施術者としては通常の整体よりも豊富な知識と技術が求められます。
- 実際に妊婦さんが多く来院している整体院
- 国家資格を持った整体師がいる
上記を一つの目安として探してみてください。
整体院の選び方の詳細については、こちらの記事(『整体院の選び方!評判の良い整体院はココが違う!』)もご参照ください。
整体を受ける時期
次に整体を受ける時期についてですが、結論からいうと特に決まりはありません。
整体院によって、「妊娠○○週以降から」「安定期に入ってから」と定めているところもあるので、事前に聞いておくとよいでしょう。
ちなみに私個人としては、妊娠が発覚した時点で受けても問題はないと思っており、実際に妊娠5、6週で来院される方もいます。
ただ、妊娠初期は流産のリスクもあるため、あくまで整体師と患者さんの中で信頼関係が成り立っていることが前提です。
この点に関しては整体師によって意見が分かれるため、事前に問い合わせた方が良いと思います。
妊娠中の身体のケアはとても大切です。
信用できる整体院を見つけ、ご自身と赤ちゃんの健康を守ってくださいね。
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