この記事を読んでいるあなたは、上記のお悩みを持っていることと思います。
腱鞘炎は、産後によくみられる症状の一つです。
指や手首の「腱鞘」という部分が炎症を起こしている状態ですが、数日で自然と治る人もいれば、何か月にも渡って痛みが持続し慢性化するケースも珍しくありません。
自然に治るのを待つ人が多いのですが、手は家事や育児で毎日使う部分であるため、できるだけ早い段階で対処しておくのが理想です。
本記事では、
- 産後の腱鞘炎の治し方
- 産後に腱鞘炎が起きる理由
- 腱鞘炎になる人とならない人の違い
について解説します。
産後に限らず、仕事などによる腱鞘炎でお悩みの方も是非お読みください。
・関連記事:『【産後のダイエット】失敗しないための6つのステップ』
産後の腱鞘炎の治し方

産後の腱鞘炎に対する3つのセルフケアをご紹介します。
それぞれアプローチする部位が異なるので、3つあわせて行うと効果的です。
筋肉の付け根のストレッチ
腱鞘炎の原因となるのは、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱という2本の腱です(後で詳しく説明します)。
これらの腱は筋肉に移行して肘の近くまでつながっています。
まずは、この筋肉の付け根をストレッチしましょう。
- 肘を軽く曲げときに、ボコッと出てくる骨を見つける
- そこから3横指分下がったところに、示指、中指、環指を添える
- 指腹で押圧しながら、手首を反らし指を広げる
- 圧をかけたまま、今度は手首を反対側に曲げて指を握る
- 10回繰り返す


骨間膜のストレッチ
長母指外転筋と短母指伸筋は、骨間膜という組織に付着しているため、骨間膜をストレッチすることでこれら2つの筋肉と腱の柔軟性を改善することができます。
骨間膜とは、前腕の橈骨と尺骨という2本の骨を連結するシートのような組織です。
この組織をストレッチしていきます。

- 手首のシワから3横指分離れたところに母指を置く
- 母指で押圧しながら、手首を反らす
- 押圧したまま、手首を反対に返す
- 10回繰り返す

腱鞘炎のツボ押し
最後に、腱鞘炎に効果的なツボに刺激を入れます。
今回は、曲池(きょくち)というツボを使って症状の緩和を図る方法をお伝えします。
肘を軽く曲げてシワをつくったときに、親指側のシワの先端部分にあたるのが曲池です。
- 肘を曲げて、曲池を探す
- 母指で1~2分間押圧する

親指側のシワの先端部分にあたるのが曲池
いずれも押圧するときは「少し痛いくらい」の強さで行ってください。
誰でも簡単にできる方法なので、「もしかして腱鞘炎かな?」と感じたらすぐに実践してみましょう。

もちろん産後でなくても、すべての腱鞘炎に有効なセルフケアなので、是非お試しください。
産後の腱鞘炎について
女性ホルモンの影響は「腱」に出る

産後はどうして腱鞘炎になりやすいの?
産後や更年期は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が急激に低下します。
特にエストロゲンには、筋肉や腱、靭帯の動きを滑らかにしたり、炎症を抑える働きがあるため、女性ホルモンの分泌が抑制されると、それらの組織に影響が出やすくなります。
中でも、腱と呼ばれる部分に炎症が起きる傾向が強く、産後は赤ちゃんを抱っこしたり授乳したりと手を酷使することも相まって、手首の腱鞘炎が生じるケースが非常に多いのです。

産後にアキレス腱炎が多いのも、これと全く同じ理由によるものです。
・関連記事:『産後、アキレス腱が痛くなるのはなぜ?原因と治し方を解説します』
腱鞘炎の病態
腱鞘炎(ドゥケルバン病)は、親指を動かす2本の腱とそれを包む腱鞘との間で炎症が起きている状態をいいます。
下の写真のように、親指を広げて反らしてみると、親指の付け根の部分に腱が浮き出てきますね。

これが、腱鞘炎を引き起こしている長母指外転筋と短母指伸筋の腱です。
通常は、腱鞘というトンネルの中を腱がスムーズに滑走することで手首や指が動いているのですが、エストロゲンが減少するとその滑走性が失われ、腱と腱鞘がこすれ合い、炎症が起こります。
産後、腱鞘炎になる人とならない人の違い

とはいえ、すべての産後の女性が腱鞘炎になるわけではありません。
同じように赤ちゃんを抱っこしたり授乳をしていても、腱鞘炎になる人もいればならない人もいます。
腱鞘炎になる人には、必ず身体の中に根本的な要因が潜んでいるのです。
という場合、家事や育児をすることでさらに手首に負荷が加わり、腱鞘炎になりやすくなります。
上記のセルフケアで改善しない場合は、整体院などで根本的な骨格のズレや筋肉の硬さを調整する必要があるかもしれません。
産後の腱鞘炎の治し方:まとめ
- 産後はエストロゲンの低下によって腱が炎症を起こしやすくなる
- 腱鞘炎は長母指外転筋と短母指伸筋の腱の炎症が起きている状態
- 早期に対処することで慢性化を防ぐことができる
- 元々身体に歪みがあったり柔軟性が低下している人は腱鞘炎になりやすい
慢性化を防ぐためにも、今すぐできることを実践してみましょう!
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