本記事は、
このような方に向けて書きました。
私自身、2年前に最愛の祖父を失くしています。
言葉にできない喪失感、気付けば流れ落ちる涙、もう二度と立ち直れないのではないかという絶望感…。
その悲しみはいくら時間を待っても消えることはありませんでした。
そんなとき、偶然出会った一冊の本をきっかけに、私の中で人の死に対する考え方が一変します。
「生きること、死ぬことって本来こういうことだったのか」と、この世(あの世?)の仕組みを理解したとき、それまでポッカリと開いていた心の穴が元通りに戻った気がしました。
本記事では、
- 家族の死を乗り越えるために知っておくべき「生命の仕組み」
- 死が意味すること
について、私の経験も踏まえて解説しています。

生命がどのように誕生するのか、生と死はなにが違うのか、という観点で考えていくと、人の死だけでなく、人生の色んな悩みが解決されていきます。是非、最後まで読んでみてくださいね。
私を救った唯一の乗り越え方
ある日偶然出会った本
突然の祖父の死から数か月。
「もっと一緒に過ごしたかった」「なんでこんな急に?」という悔やしさや無念さを抱えながらの毎日でした。
そんなある日、こんな本を読みました。
ジャンルでいうと、スピリチュアル本ですね。
私は特に、スピリチュアルが大好きというわけではないのですが、このときは何となく読んでみようかなという気になったのです。
結果からいえば、私はこの本をきっかけに死に対する意識が180度変わり、家族の死を乗り越える大きな手助けとなりました。
以下に説明する内容は、家族の死の乗り越え方というよりも「生死の概念」についてです。
生命の仕組みがわかると、「死は辛く悲しいもの」「もうこの世にはいないんだ」という感情やイメージは一変すると思います。
生命は一人ひとりのものではない
この本から学んだことは、主に以下の3つです。
- そもそも「死」は存在しない
- 生命は唯一無二の存在であり、人はみな同じ命を共有している
- 「ワンネス」の意識
詳しく説明しましょう。
まず、(私も含め)多くの人は「人が死ぬ=命がなくなった」と考えますが、生命は一つ、二つと数えられるものではありません。
もっというと、
- 私の命、あなたの命というように、生命は個別に分離されたものではない
- 生命は増えたり減ったりするものじゃない
- 生命はこの世にたった一つしか存在しない
ということです。

うーん、よくわからないなぁ…。

じゃあ、あなたの命はどのようにして誕生しましたか?

それは、お父さんとお母さんの命を引き継いで産まれてきたわけだけど…。ん、でもそれってどういうことだろう?私の中にはお父さんとお母さんの二人分の命が宿っているってこと?
そうです、「命は個別に与えられたもの」と考えると、この矛盾に気が付くわけです。
自分は両親からそれぞれの命を引き継いだとすると、2人分の命を有していることになりますが、両親はそれぞれの親(つまり祖父母)から産まれていて、さらに祖父母は…と考えると「何人分の命!?」となってしまいますよね。

つまり、生命は一人ひとり個別に有しているものではないんです。
「死」は存在しない
じゃあ、命っていったい何?という疑問が沸いてきますよね。
本来生命は、たった一つしかありません。
本書の説明と同様に、ここでは風船に例えて説明していきます。
その風船を唯一無二の「命」とすると、その中に存在する空気が「意識」であり、「この世の存在すべて」です。
風船の一部をつまんで圧をかけると、そこに小さな膨らみができます。
この膨らみが、私たちが認識できる「赤ちゃんの誕生」ということです。

私たち人間は、この大きな一つの風船からぴょこぴょこと顔を出し、現象界に突き出てくるんですね。
ただし、何もなかったところから新たな命が誕生したというわけではありません。
現象としては、単に風船の形状が変化しただけ。
膨らみができたことで、「赤ちゃん」として現象界で認識できる次元に出てきた、という話にすぎません。

ここが一つのポイントです。つまり人の誕生というのは、「元々あった全体意識が形を変えて現象界に現れること」なのです。
このように、意識が人間に認識できる現象界に突き出ることを「誕生」というなら、認識できない状態へ戻ることが「死」です。


上図をみてわかるように、存在としてなくなったわけではなく、風船が形を変えただけです。
肉体は失われたとしても、意識としては(存在全体としては)増えてもいないし減ってもいません。
つまり、あなたの大切な人がこの世から亡くなってしまったとしても、意識は常にここにあるということです。
ワンネスの意識
繰り返しますが、人は死後、私たちが認識できる現象界からは姿を消しますが、意識は分離していません。
だって、元の風船に戻っただけですから。
この「分離感覚の消失」=「全体としての意識」を「ワンネス」の状態といいます。
私は、このワンネスという概念を意識した瞬間、すごく気持ちが楽になりました。
「なんだ、じいちゃん今も一緒にいるんじゃん」と。
生前は会っているときしか時間を共有していないと思っていたけれど、今は家にいるときも出掛けているときも、常に祖父と一緒にいるような感じがします。
矛盾するように聞こえるかもしれませんが、亡くなってからの方が「共に生きている」ことを意識しているんですね。
だから寂しいとか悲しいとか、そういうマイナスの感情は今は一切ありません。
その意味で、この本に出合えたのは本当に大きな出来事でした。
家族の死は人生最大のストレス

職場の人間関係、お金の悩み、恋愛、子育て…。
世の中には様々なストレスがありますが、最大のストレスは家族との別れだといいます。
- 父を亡くしたあとに鬱病になった
- 配偶者と死別し、その翌年に自身も病気で亡くなった
という話はよく聞きますよね。
身近な家族の死は、非常に大きな精神的ショックとして、遺族の身に圧し掛かります。
その悲しみを和らげるのは、表層的な方法論でもなければ時間でもありません。
生命の仕組みを理解し、ワンネスの状態であり続けること。
これが唯一にして最強の乗り越え方だと思います。