突然ですが、食品添加物についてあなたはどういう認識を持っていますか?
- なんとなく身体に悪そう
- お菓子や加工食品に沢山含まれている
- 極力子どもには食べさせたくない
- あまり気にしていない
様々な意見があると思います。
「食品の裏側」は、文字通り食品の「裏側」について告発された本であり、食品添加物のメリット・デメリットや、食品添加物との付き合い方について、一般の方向けにわかりやすく書かれています。
私は本書を読んだ後に著者の講演会に参加したのですが、そこで目にした光景があまりにも衝撃的で、それを機に食に対する意識が大きく変わりました。
本記事では、
- 「食品の裏側」の概要
- 著者の講演に参加した感想
- 「食品の裏側」を読んで変化したこと
についてまとめました。
「食品の裏側」を読んだ方、これから読む方、食に興味のある方は、是非ご覧ください。
・関連記事:『【妊活】食生活でやめるべき5つの習慣』
「食品の裏側」はこんな内容

まず、「食品の裏側」の概要をお伝えします。
著者の安部司氏は、食品添加物の専門商社で勤めていたということもあり、非常に説得力がありました。
私たちは年間4㎏の添加物を食べている
日本人が一日に摂取する食品添加物の量は10g。
一年間で4㎏の量を食べている計算になります。
これが多いかどうかという判断は難しいかもしれませんが、一日の食塩の摂取量が11~12gであることを考えると、決して少ない量ではありませんよね。
例えば、コンビニのおにぎりを食べたとすると、それだけで10種類以上の添加物を食べていることになります。
他にも、お惣菜や冷凍食品、インスタント食品といった加工食品にも、1つの商品につき何十種類という添加物が含まれているのです。
にも関わらず、私たち一般人の多くは、日々の食卓が添加物まみれだということをそれほど意識していません。
それは一体なぜでしょうか。
日本は添加物無法地帯!?
日本人の添加物に対する認識が薄い理由としては、日本の“法律の緩さ”が関係しています。
現在の食品衛生法では、
- 香料や乳化剤など、同じ目的で使用される添加物であれば一括表示をしてよい
- コーヒーフレッシュのような小さな容器の場合(30㎠以下)、原材料を表示しなくてよい
と定められており、厳格に表示する義務がありません。
例えば、食品の変質や変色を防ぐ「pH調整剤」という添加物には、
- クエン酸ナトリウム
- 酢酸ナトリウム
- フマル酸ナトリウム
- ポリリン酸ナトリウム
など4~5種類が配合されて使われていることがほとんどですが、商品に表示する際は「pH調整剤」としてひとまとめにできてしまうのです。
また、コンビニなどで無料提供されているコーヒーフレッシュ。
多くの人は牛乳や生クリームを元に作られていると思っていますが、実際はそうではありません。
植物油に水を混ぜて、添加物で白くしてクリームのように見せているのです。
そう考えると、なぜ無料で置かれているのかが納得できますよね。
でも、法律的に容器や包装が小さい場合は表示義務がないので、消費者がその実態を知ることは難しいというのが現状です。

日本の法律の甘さによって、消費者は真実を知る機会を失い、気付けばこんなにも添加物まみれになっているんですね。
食品添加物が大量に使われている食品
以下は、添加物が大量に使われている加工食品です。
- 明太子
- 梅干し
- 漬物
- 練り物
- ハム・ソーセージ
もちろん、この他にも複数の添加物が使用されている食品はたくさんあります。
では、ハムを例に挙げて、通常のものと無添加のものではどれだけ違うのかを見てみましょう。
【無添加ハムの原材料】
- 豚肉
- 粗塩
- 三温糖
- 香辛料
【通常のハムの原材料】
- 豚肉
- 大豆たんぱく
- 卵白
- カゼインナトリウム
- 食塩
- 亜硝酸ナトリウム
- ポリリン酸ナトリウム
- ピロリン酸ナトリウム
- グルタミン酸ナトリウム
- たんぱく加水分解物
- ポークエキス
- 加工でんぷん
- 増粘多糖類
- コチニール色素 etc…
両者の添加物の量の違いは一目瞭然ですね。
通常のハムの場合、100㎏の豚肉から130㎏のハムがつくられます。
増えた30㎏分は、かさを増すための水分や添加物です。
ローコストで見た目や味を良くするために、使われているんですね。
スーパーの安売りで売られているハムの多くが、このようにして作られたハムなのです。
食品添加物と上手に付き合うポイント
とはいえ、私たちは間違いなく添加物の「恩恵」も受けています。
スーパーやコンビニに行けば、どこでも簡単に、それほど高くない値段で美味しい食べ物が手に入ります。
- 安さ
- 手軽さ
- 便利さ
は、添加物によって生まれたメリットであり、現代の食生活からそれらをなくすことはもはや不可能でしょう。
単に添加物を悪者扱いするのではなく、私たちが受けている恩恵に感謝しつつ、必要以上に摂取しない努力をすることが、添加物と上手く付き合うポイントです。
著者の講演会で目の当たりにした光景

「白い粉」でラーメンのスープが作られる
本書を読んだ後、私は「もっと深く知りたい!」と思い、著者の講演会に足を運びました。
講演では、「食品の裏側」で書かれていた内容がそのまま「実演」されていたのですが、そこで目にした光景は今でもはっきりと覚えています。
まず、著者の前にずらりと並べられた何十種類もの「白い粉」。
もちろんすべてが何かしらの食品添加物です。
その中の数十種類を、次から次へと混ぜ合わせ、最後にお湯を注ぐとラーメンのスープの完成です。
数名の聴講者が「味見」をしていましたが、「美味しい!」「ラーメンのスープだ!」との声。
白い粉だけで私たちが慣れ親しんだラーメンの味が完成してしまうのです。
本書を読んで内容は頭に入っていたはずですが、やはり目の前でその工程を見せられると、相当なインパクトがありました。
「いつもこんなものを食べているのか…」とショックを受けたことを今でも覚えています。
本書を読むと食への意識が変わる

原材料名をチェックするようになった
「食品の裏側」を読むと、嫌でも食に対する意識が変わると思います。
なぜなら、私自身がその一人だからです。
まず、スーパーで食品を買うときは、原材料名をチェックするようになりました。
それまで、カロリーを気にすることはあっても「何で作られているのか」を気にしたことはほぼなかった私にとっては、大きな一歩です。
もちろん、現代の食生活においてすべての添加物を避けることはできません。
食べるもの全部を無添加のものにしょうとすると、食費がいくらあっても足りませんよね。
私の場合は、以下のような毎日使う調味料だけは無添加のものを使うと決めています。
- 醤油
- 味噌
- みりん
- 塩
- 顆粒だし
- 鶏がらスープ
スナック菓子やジャンクフードなどもほとんど買いません。
それ以外のものに関しては、値段と相談してケースバイケースで決めています。

すべての食に気を配るのではなく、自分の中で「これだけは無添加にこだわる」というポイントを持ち、それ以外はさほど気にしない、というスタンスの方が気楽で良いかなと思います。
食品添加物=悪ではない
前述した通り、食品添加物にはメリットもあります。
決してただの悪者ではありません。
普段は自分のコントロールできる範囲で節制し、たまに疲れた時や忙しい時は、外食や出来合いの食品に頼る。
このバランスが大切だと思います。
本書のような健康に関する本を読んだ後は、どうしても最初は「変えれるところは全部変えよう!」と意気込んでしまいがちですが、極端な変化は絶対に長続きはしません。
それよりも、経済的にも精神的にも無理のない範囲で行動することが、大切だと思います。
「食品の裏側」をまだ読んでいない方は、是非読んでみてくださいね。