本記事は、こんなお悩みを解決するために書きました。
順調な妊娠生活を送っていたある日の妊婦検診で「逆子」と言われたら、最初は誰もが不安に感じることでしょう。
でも、焦る必要はありません。
逆子と診断されたとしても、多くの赤ちゃんは出産時までに自然と正常な体勢に戻ります。
ただ稀に、最後の最後まで逆子の状態が続き、帝王切開で出産するケースがあることも事実です。
そして、大半の逆子は自然に治るといっても、逆子の状態の間は赤ちゃんにとって居心地の良い姿勢とはいえません。
本記事では、
- 逆子はなぜ自然に治るのか
- 逆子のリスク
- 効果的な逆子対策法
について解説していきます。
逆子の多くは自然に治る

妊娠中期の半数は逆子
検診で逆子と診断された場合、ひとつポイントとなるのが時期です。
妊娠中期(妊娠5か月~7か月)の時点では、胎児の50%が逆子の状態だといわれています。
意外と多いと思いませんか?
実はこの時期に逆子といわれても、それほど心配する必要はありません。
というのも、健康な赤ちゃんはお母さんのお腹の中でグルグルと動き回り、様々な体勢をとっているからです。
手足を動かしながら、体も色々な方向に向きを変えているため、その過程でいわゆる「逆子」の状態になることは十分起こりうるということです。
正常な赤ちゃんであっても、四六時中「頭が下」の体勢でいるわけではないんですね。

つまり、検診で逆子と診断されたとしても、普段からお腹の中で自由に動けているのであればさほど心配はありません。
出産時に逆子の状態にあるケースは3%
問題になるのは、常に逆子の状態で留まっているケースです。
通常であれば、妊娠中期までに逆子であっても、徐々に頭の重みによって自然と頭部が下を向くようになります。
妊娠中期に逆子といわれたとしても、その多くは出産までに治るということです。
基本的に胎児が自由に動き回るのは妊娠32~35週までで、それ以降に体勢を変えるのは難しいといわれていますが、実際には臨月に入ってから逆子が治る人もいます。
ところが、中には出産予定日まで治らず、帝王切開で出産する人もいます。
実際に分娩時に逆子の状態にあるケースは全体の3%。
大半が自然と治るとはいえ、最後まで逆子のままというケースもわずかながら存在するのです。
もしも検診の度に逆子だとしたら、赤ちゃんがその状態のまま動けなくなっている可能性が強いため、積極的に逆子対策をすべきでしょう。
・関連記事:知っておきたい帝王切開のリスク。母親や子どもへの身体への影響とは?
逆子が治らない原因
赤ちゃんが逆子の状態のまま留まる原因としては、以下のようなことが挙げられます。
- 胎児の頭が大きい
- 双子、三つ子などの多胎妊娠
- 骨盤が狭い、可動性が乏しい
- 子宮のスペースが不十分
お腹の中の赤ちゃんはおよそ10ヶ月間に渡り、お母さんの子宮の中で成長していきます。
非妊娠時では、子宮は骨盤内におさまっていますが、妊娠の進行に伴い徐々に拡張し、妊娠9か月になるとみぞおちの辺りまで膨らみます。
骨盤が開いて子宮が拡張することによって、胎児は十分なスペースを与えられ、自由に動くことができるのです。
これらを踏まえると、逆子対策のポイントは
- 骨盤の可動性を確保する
- 子宮の血流を改善し、スムーズに拡張できるようにする
ということになります。

胎児の頭の大きさや母親の骨盤のサイズを変えることはできませんが、上記の2つが改善されれば逆子が治る可能性も高くなります。
逆子は治る!自分でできる対策法
逆子対策 ①足を温める
下半身の血の巡りが良くなると、内臓系の血液循環も改善します。
- レッグウォーマーの装着
- 入浴
- 足の裏やふくらはぎへのマッサージ
によって、滞った血流が再び流れるようになります。
また、三陰交(さんいんこう)というツボは女性ホルモンと密接な関係があり、逆子にも有効とされているため、この部分を押圧するのもオススメです。
場所は、内くるぶしから指4本分上の辺りです。
「いた気持ちいい」くらいの強さでぐーっと押してあげましょう。

3秒間×10回を目安に、終わったら反対側も同様に行ってください。
逆子対策 ②四つ這い体操
赤ちゃんがお腹の中で自由に動き回る環境をつくるには、お母さんの背骨や骨盤に十分な可動性が確保されていることが条件となります。
妊娠するとリラキシンというホルモンによって、骨盤周囲の靭帯が緩むようになっていますが、元々背骨や骨盤の歪みやズレがある場合、スムーズに緩むことができなくなってしまうのです。
結果として、赤ちゃんの成長に伴って子宮が十分に広がることができず、赤ちゃんはある一定の体勢で留まってしまうことになります。
以下に紹介する運動は、四つ這い位で背骨と骨盤の可動性を取り戻すためのエクササイズです。
【四つ這い体操】


- 腕は肩幅に、膝は腰幅に開いて四つ這いになる。
- 鼻から息を吸いながら、背中全体を反らす。このとき、骨盤を前傾させ尾てい骨を上方へ引き上げるよう意識する。
- 口から息を吐きながら、おへそを覗き込むようにして背中を丸める。このとき、骨盤を後傾させ尾てい骨を内側に閉じ込める意識で行う。
- 1の姿勢に戻る。
- 1~4を7~10回繰り返す。
四つ這いは、赤ちゃんにとってハンモックで吊るされるような形で「浮遊状態」となるため、より自由に動きやすい体勢となります。
一般的な逆子体操と異なるのは、セルフイメージを使って意識的に身体を動かすという点です。
特に、腰の背骨と尾てい骨の動きを意識しながら行うと良いでしょう。
・参考:『女性の骨盤』/ブランディーヌ・カレージェルマン(著)
逆子対策 ③胎児に話しかける

妊娠24週頃になると、お腹の赤ちゃんは外の世界の音が聞こえるようになり、脳の記憶に関わる部分が発達し始めます。
胎内記憶がある子どもたちは、2~3歳くらいになると
「お腹の中にいるとき、お母さんはよく〇〇を食べていたよね」
「お父さんとお母さん喧嘩してたよね」
と、お腹の中にいるときの出来事を当たり前のように話し始めますが、これは胎児の時点で聴覚や記憶の働きが機能していることを示しています。
お腹の赤ちゃんは非常に感覚的であるため、私たちが思っている以上に周囲で起きていることを理解しているのです。
もしもあなたの子どもが逆子であるなら、
「頭はこっちだよ~」
「ぐるっと回ってみよっか」
と声かけをしてみましょう。
このとき、「本当にわかっているのかな」と思ってはいけません。
お腹の赤ちゃんを一人の存在として認め、大人に接するときと同じように話しましょう。
逆子の多くは自然に治るが、早めに対策すべき
上述したとおり、逆子の多くは出産時までに自然と治ります。
ただ、稀に最後まで治らないケースもあるため、なるべく早い段階から逆子のケアをすることが望ましいでしょう。
今回紹介したケア方法は、逆子ではない妊婦さんにとっても胎児の正常な発育を促すという意味で効果的なので、実践してみてくださいね。
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