アキレス腱の痛みは、産後の女性を悩ますトラブルとしてよくみられる症状の一つです。
アキレス腱が炎症を起こし、階段昇降や立ち座りなど、負荷がかかる動作をすると痛みが生じます。
とはいえ、すべての産後の女性がアキレス腱の痛みに悩まされるわけではありません。
症状が出る人の身体には、元々の骨格の歪みや筋肉の硬さなど、必ず何かしらの要因が潜んでいます。
その原因を一つずつ取り除くことができれば、痛みは自然と緩和していくでしょう。
この記事では、
- 産後、アキレス腱の痛みが起こる原因
- 産後のアキレス腱痛の治し方
について解説します。
産後、アキレス腱が痛くなるのはなぜ?
女性ホルモンの影響は腱に出やすい
妊娠中に大量に分泌されるエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、出産と同時に急激に減少します。
産後の諸症状の多くは女性ホルモンのアンバランスが原因となって生じるのですが、その影響は特に腱や靭帯に現れやすいといわれています。
アキレス腱の痛みの他、手根管症候群や腱鞘炎なども産後や更年期に頻発しますが、これらも腱や靭帯の炎症によって生じる疾患です。
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なぜ腱や靭帯に影響が出やすいのかという理由については、明らかになっていない点も多いのですが、これらの組織には女性ホルモンの受容器が多いということが関係しているようです。
腱や靭帯には女性ホルモンの受容器があり、通常はホルモンと受容器が結合することで、その滑走性や柔軟性が保たれています。

ところが、女性ホルモンのバランスが崩れると、腱や靭帯にある受容器にホルモンが結合できなくなり、滑走性が失われて炎症を起こす、というわけです。
アキレス腱と連結する筋肉がカギ
ただし、すべての産後の女性がアキレス腱に問題を起こすわけではありません。
痛みが出る人の身体には、必ず別の要因が潜んでいます。
結論をいうと、
- ふくらはぎの筋肉
- 足底の筋膜
- 太ももの裏の筋肉
アキレス腱と連結するこれらの筋肉、筋膜が硬くなっていると、アキレス腱に負担がかかり炎症を起こしやすくなるのです。
つまり、アキレス腱の痛みを緩和するためには、上記の筋肉の柔軟性を改善する必要があるということです。
アキレス腱痛の治し方
アキレス腱痛の治し方 ①ふくらはぎのマッサージ
ふくらはぎには腓腹筋とヒラメ筋という大きな筋肉があり、アキレス腱と連結しています。
特に、筋肉と腱の移行部が硬くなりやすいので、この部分を指圧してあげましょう。
【手順】

- 足首の後ろの一番凹んだ部分から4横指上に、両方の母指を置く
- 圧迫して硬さや痛みがある部分を探し、押圧する
- 2~3分行う
アキレス腱痛の治し方 ②足底のマッサージ
アキレス腱は踵の骨を介して足底部の筋膜にもつながっています。
この部分はテニスボールを使って柔らかくすることができます。
【手順】

- 椅子に座った状態で、テニスボールの上に足をのせる
- 足を前後に動かしながらボールを転がし、足裏をマッサージする
- 次に、足趾を曲げた状態で同様に転がす
- 反対に足趾を反らした状態で転がす
アキレス腱痛の治し方 ③太ももの裏のストレッチ
太ももの裏には、ハムストリングスという筋肉があります。
直接アキレス腱と連結しているわけではありませんが、ふくらはぎの筋肉がハムストリングスの下部とつながっているため、この筋肉の柔軟性が確保されていることも大切です。
実際にアキレス腱の痛みを訴えている人を診てみると、太ももの裏がカチカチになっているケースがほとんどです。
【手順】

- 椅子の上に足をのせる
- 膝を伸ばした状態で身体を前傾させて太ももの裏を伸ばす
- 30秒間行う
アキレス腱痛はマッサージしても意味がない
多くの症状においていえることですが、痛みがある部位にアプローチしてもあまり意味がありません。
なぜなら、原因は他の場所にあるケースがほとんどだからです。
産後のアキレス腱の痛みも同様で、アキレス腱だけをマッサージしても痛みは緩和しません。
- 産後の女性ホルモンのアンバランス
- アキレス腱につながる筋肉、筋膜の硬さ
という2つの要因が重なることでアキレス腱に痛みが生じやすくなるため、対策としては硬くなっている周囲の筋肉を緩めることが重要なのです。
今回ご紹介した方法を実践しても効果がないという場合は、骨盤や下肢の骨格の歪みなども影響している可能性があるので、一度整体院で整えてもらうのも良いかもしれません。
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